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Knowledge/知

2018.04.04

【弊社保有車両】
R107の登場は初代300SL以来守りつづけてきた直列6気筒モデルとの決別を意味し、それ以降のSLの代名詞となるV8エンジンを搭載しました。そして排気量の増大にともなって、本来のSLの語源である“Sport Light”(軽量スポーツ)から“Super Luxury”(最上の高級)へ変容を遂げていきました。

登場した1971年当時は“オープンカー冬の時代”と呼ばれ、安全性における法規制により市場からオープンカーは次々と消えていく時代でした。その中でもメルセデスは「フルオープンでないSLなどSLとは呼べない」として新工法を駆使し、北米唯一フルオープンで新車登録できるオープンカーとしてマーケットでのプレゼンスを高めていきました。そしてR107は3連メーターやオートエアコンなど機能的かつ先進的な仕様で、メルセデスの輝かしいイメージリーダーとなりました。

また、デザイナー、ブルーノ・サッコによる角型ヘッドライトが横一直線につながったモダンなフロントフェイスは、18年の長きにわたってSLのトレードマークとして愛されてきました。
この車両は1981年のマイナーチェンジを受けて、5リッターのV8エンジンが軽量アルミブロックに変更されたものです。R107の累計販売台数は18年で23万7000台におよび、モデル末期でも販売に陰りが見えなかったといいます。メルセデス永遠のラグジュアリーロードスターと言えると思います。

1989年に後継のR129系へモデルチェンジを果たし、メルセデス・ベンツ最長の18年間に渡る生産にピリオドを打ちました。その1989年に登場するゲレンデヴァーゲン(Gクラス)(W463)は2009年現在も生産を続け、R107系の記録を超えていますが、厳密にはオーストリアのシュタイア・プフの生産車両なので、ダイムラー・ベンツ製の乗用車という観点では未だこの記録は破られていません。最終生産車の500SL(アストラル・シルバー色)はドイツ・シュトゥットガルトのメルセデス・ベンツ・ミュージアムに保管されています。

日本仕様車はウエスタン自動車(現ヤナセ)より輸入され、外装はヨーロッパ仕様の物と同一ですが、1970年代の度重なる排ガス規制によりエンジンはアメリカ仕様と同様に大幅なパワーダウンを余儀なくされました。 初年度の1972年には350SLと350SLCを導入。翌1973年には450SL/450SLCに置き換えられました。1981年の380SEC導入に伴いSLCの販売が終了し、450SLは380SLとなります。そして1986年より380SLに代わり560SLを導入しました。なお、560SLはアメリカ、日本、オーストラリアのみで販売され、本国を含む欧州地域では販売されていません。

本車両は前オーナーの保管状態もよく、一部の補修を加え、弊社で動態保存しています。

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