Treasure & Archive
Treasure/宝
2018.04.04
【ヤナセ保有車両】
ダイムラー・ベンツは1963年9月に開催されたフランクフルト・ショーにおいて、同社のラインナップの頂点に位置し、戦前ごく少数が生産された「グローサー・メルセデス」の再来ともいえるショーファードリブン(VIP等を乗せ、専門の運転手が運転するような高級車のことを指す)「メルセデス・ベンツ600」(W100型)を発表しました。
巨大な高級・高性能車で、「特別な顧客のための特別なモデル」として完全受注方式がとられました。
巨大なボディに時代の先端を行く快適・豪華装備が備わり、基本設計に変更のないまま18年に渡り生産が続けられました。
ボディタイプは、ショートホイールベース4ドア仕様の「リムジーネ」とロングホイールベース4ドア/6ドア仕様の
「プルマン」、そしてプルマンをベースにしたオープンモデル「ランドーレット」の3タイプが用意されました。
スタイリングは、デコレーションを排した直線基調のプレーンなフォルムと、同社独自の縦型ヘッドランプが特徴でした。
最高速度は200キロオーバーの高性能。
駆動方式は同社の他のモデルと同様FRで、エンジンはこのモデルの為に新開発された6.3L V8SOHC・ボッシュ機械式燃料噴射仕様(最高出力250ps/最大トルク51kgm)が搭載されました。トランスミッションは4速トルコン式ATが組み合わせられ、最高速度はリムジーネで205km/h、プルマンでも200km/hに達する高性能を発揮しました。
ブレーキは4輪ディスク式で、タイヤは9.00×15というファットなサイズが装着されました。又、リサーキュレーティング・ボール式のステアリングには、パワーアシストが採用されました。快適装備としては、油圧バキューム式によるパワーウィンドウ、集中ドアロック、オートクローザー付ドア、自動開閉式トランクリッド、パワーシート、サンルーフの他、前後席独立式のエアコンが採用されました。
販売は1981年6月まで継続され、その間にリムジーネが2,190台、プルマンが428台生産されました。
当社の梁瀬次郎元社長が愛用してた車両で、現在に至るまで動態保存されています。